復興の現場をくりかえし訪れ学ぶフィールドワーク

地域実践学習「むらの大学」(1年生)

 原発事故により避難を余儀なくされ、復興と地域再生に取り組む地域(双葉郡川内村・大熊町・南相馬市小高区)に年間を通じてくりかえし訪れ、地域住民の方々と交流・調査(フィールドワーク)、そして地域の問題解決に向けた活動を通じた学び(サービス・ラーニング)を行う授業です。5月のガイダンスから1月の現地報告会まで、年間を通して学びを深めます。

「むらの大学」での学びを生かした実践

自主学修プログラム(2年生)

 1年次に「むらの大学」を履修した学生の多くは、2年次に「自主学修プログラム」として地域(双葉郡川内村・大熊町・南相馬市小高区)での活動を継続します。自主学修プログラムでは、学生が自主的にグループを組織してテーマ・内容を設定し、教員の指導のもとで学修します。多くの学生たちが、1年次に発見した地域の魅力や課題について「自分たちに何ができるのか」を考え、自主的なプロジェクトを継続しています。

主な活動(実績)
  • 祭礼や各種大会・イベントの支援活動と、アンケート実施による来村者の分析
  • 自然環境調査を通じた、川内村の新たな魅力を発見する活動
  • 若年女性人口に注目し、「小高で働く女性」へのインタビュー小冊子を編集
  • 大学がない地域でのメンタープログラム実施と居場所づくり   など

学類を超えたプロジェクト学修

「協働プロジェクト学修」(3・4年生)

 文系・理系の5つの学類が、一つのキャンパスで学ぶ福島大学。その特性を活かした「協働プロジェクト学修(学類を超えたプロジェクト学修)」を、浜通り地域をフィールドに実施しています。各学類の学生が専門性をもってプロジェクトの遂行にあたる「活動を通じた学び(サービス・ラーニング)」により、専門性や地域問題の解決能力、他の専門性を有するメンバーとの協働力・学際性などを有する、高度な復興人材を育成します。

主な活動(実績)
  • 農村地域居住における若者の選好の調査分析(相馬郡飯舘村)
  • 除染後農地の肥沃度低下調査と回復を考える(相馬郡飯舘村)
  • 大熊町の営農再開に向けて考える(双葉郡大熊町)
  • 農スポ@南相馬(南相馬市)    など

福島型サービス・ラーニングの開発と発信

 むらの大学・自主学修プログラム・協動プロジェクト学修など、復興や地域再生に貢献する活動を通して学ぶ「福島型サービス・ラーニング」の実践と学修効果検証を行い、国内外の高等教育機関における教育実践に応用できるよう発信を行います。

「復興知」のデータベース化と国内外への発信

 福島大学には、多彩な視点で福島の「いま」と「これから」を学ぶ「ふくしま未来学入門Ⅰ・Ⅱ」など、震災・原発事故と復興に関わる多彩な座学講座があります。 こうした蓄積を基盤に、「ふくしま未来学入門Ⅰ・Ⅱ」など「復興知」な関する授業資料・動画をデータベース化してアーカイブするとともに一部を学外公開します。海外への積極的な発信も行います。

【文理を超えたオムニバスで知る復興の最前線】

講義「ふくしま未来学入門Ⅰ」(全学年)

 地域とともに歩む総合大学の特性を活かした、全5学類の教員によるオムニバス講義。人類が初めて経験する福島の諸課題に、それぞれの学問分野でどのような取り組みがなされ、学問知が実践知としてどう活用されているかを学びます。

【地域で活躍するゲスト講師陣と考える課題解決】

講義「ふくしま未来学入門Ⅱ」(全学年)

 復興の現場で活躍しておられる多彩なゲスト講師をお招きし、地域で実際に行われている取り組みについて具体的に学ぶ講義。多彩なテーマ・視点を通して地域再生の歩みの一端に触れることで、課題解決型の思考を養います。

地域を学ぶ、授業外のスタディツアー「みらいバス」(全学年)

 地域と大学をつなぐ「みらいバス」は、学生・教職員を対象とした日帰りのスタディツアーです。授業以外で地域を訪問するきっかけをつくるため、年間10回程度実施しています。被災地域の訪問・見学やボランティア活動を通じ、それぞれの地域の現状を学びます。

主な行き先(実績)

  • 東日本大震災・原子力災害伝承館(双葉郡双葉町)
  • 震災遺構請戸小学校(双葉郡浪江町)
  • 大野駅および周辺市街地、中間貯蔵施設(双葉郡大熊町)   など

浜通りの高校との連携

 「むらの大学」「自主学修プログラム」における連携事業や、各学校における課題研究指導などを中心に、浜通り地域の高等学校とさらなる連携を図ります。